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美容室の客単価は5年で最高。数字の中身をどう読むか

女性7,668円、男性4,879円。5年推移と価格帯の変化をたどると、客単価を価格だけで見ないための経営指標が浮かぶ。

美容室の1回利用額、女性7,668円・男性4,879円を示すデータ図
出典・注記は図中および情報源を参照

美容室の1回あたり利用額が、男女とも過去5年で最も高くなった。リクルートの「美容センサス2025年上期」によると、2025年は女性7,668円、男性4,879円。前年より女性は186円、男性は171円増えた。数字だけを見れば値上げの結果にも見えるが、一次資料をたどると、価格以外にも確認したい変化がある。

男女とも利用額は5年で最高

女性の1回利用額は2021年の7,054円から、2022年7,368円、2023年7,293円、2024年7,482円、2025年7,668円へ推移した。男性も2021年の4,441円から、4,577円、4,680円、4,708円、4,879円へ伸びている。2025年の増加率は女性2.5%、男性3.6%だった。

伸び方は年代で一様ではない。女性は10代が前年比8.2%、30代が4.7%増えた一方、60代は0.4%増にとどまる。男性は30代が4.2%増で、20代は3.8%増だった。全体平均の上昇だけでは、どの顧客層の変化が大きいかまでは分からない。

女性は「1万円超」が5年で5.3ポイント増

女性では、1回の利用額が1万1円以上の層が2021年の15.6%から2025年の20.9%へ増えた。5年間で5.3ポイントの上昇になる。公式の研究員コメントは、物価高に加えて高付加価値メニューの利用増加や、複数メニューを組み合わせるクロスセルが利用額上昇の一因になった可能性を挙げている。

関連する利用実態にも変化がある。女性の縮毛矯正利用率は17.3%で過去最高となり、まつげ・眉毛サロンの利用も増えている。男性ではパーマやアイブロウの利用増加が示された。これらは個々の美容室で客単価が上がった原因を証明するものではないが、平均額の上昇を価格改定だけで片づけないための背景になる。

客単価を価格だけで説明しない

経営で確かめたいのは、客単価が上がったという結果より、その内訳だ。まず、価格改定が実際の会計単価へどれだけ反映されたか。次に、高単価メニューの構成比と、1回の来店で複数メニューを選ぶ比率がどう変わったか。この2つを分けると、単価上昇が値付けによるものか、提供価値とメニュー構成の変化によるものかを確認しやすい。

ただし、客単価だけを切り出して店舗の成果とは判断できない。美容センサスの市場規模推計も「1年間の利用率×1回あたり利用金額×年間利用回数×人口」で構成されている。客単価が上がっても来店頻度が変われば、顧客単位で見た売上の評価は変わる。これは調査が個店の因果を示したという意味ではなく、自店の数字を読むための経営分析フレームだ。

自店では3つに分け、来店頻度と並べる

同じ期間で、価格改定後の実収単価、高単価メニュー比率、複数メニュー利用率を並べる。そのうえで来店頻度を重ねる。平均客単価の上昇が、価格、メニュー構成、顧客行動のどこから生まれたのかを切り分ければ、次に強化する施策も選びやすくなる。

市場の平均値は、自店の答えではない。次に確かめるのは、自店の客単価上昇がどの要素から生まれ、来店頻度と合わせたときにも顧客単位の売上改善につながっているかだ。

客単価を実収単価、メニュー構成、来店頻度に分けて確認する編集フレーム
編集フレーム。市場データの因果モデルではありません。

SOURCES

情報源

  1. 美容センサス2025年上期株式会社リクルート
画像Interior view of modern beauty salon — Nenad Stojković, CC BY 2.0. Cropped and resized by BEAUTURE.元画像ライセンス